現在では,インドネシアのジャワ島,スンダ地方が有名ですが,古くは,南スマトラや西南カリマンタンから広まったという説もあります。バリから西部ジャワへ送られたという記録もあり,バリが起源であるという説もあります。また,反対にジャワからバリへもたらされたという説もあります。(結局はよくわからないのが実情です。)
バリ語では,angke(音階)とlung(切る)という二つの語からなり,その音の出方を思い起こさせます。アンクロンは,宗教的な儀式などに使われていましたが,長い間に次第に忘れられ,姿を消しつつありました。
現在使われているメロディアンクロンは,1937年教師であったDaeng Sutigna氏が教育用楽器として考案しました。伝統的なアンクロンは,独特の音階で民族音楽しか演奏できませんでしたが,ドレミ式となり,様々な曲を演奏することができるようになりました。こうして,ほとんど忘れられかけていたアンクロンがよみがえり,インドネシア国内だけでなく,国際的な場でも演奏されるようになりました。
現在インドネシアのバンドンにある通称アンクロン村は,Daeng氏の指導のもとに建てられた施設で,新しい楽器としてのアンクロンの開発を続けています。観光スポットにもなっていますので,バンドンを訪れた際は,立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。
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